「源泉所得税をクレジットカード納付するためには、準備としてe-Taxの設定が必要らしいけど、そもそもe-Taxのやり方がわからない!」
「クレジットカード納付するために必要なe-Taxの操作方法・設定方法とは?」
と、お困りではないでしょうか?
この記事では源泉所得税のクレジットカード納付に必要なe-Taxの設定方法を解説します。
念のため「どのような場合にe-Taxの設定・操作が必要なのか?」をおさらい
e-Taxの設定や操作方法を解説する前に、まず、どのような場合e-Taxの設定・操作を必要なのかを解説します。
場合によってはe-Taxの設定は必要ありません。
そこで、まず「自分にとってe-Taxの設定と操作は必要か」を確認しましょう。
一般的にe-Taxの操作が必要なのは、源泉所得税をクレジットカード納付しようとしている方です。
(勿論、申告書をe-Taxで作成して送信するにはe-Taxの設定や操作が必要なのですが、ここでは税金を納付することに絞って解説)
裏を返せば、源泉所得税以外の国税であればe-Taxの設定をしなくても、クレジットカードで納付することは可能。
ポイント
- 源泉所得税のクレジットカード納付をするためにはe-Taxを利用する必要がある
- 源泉所得税以外の国税をクレジットカード納付するなら、多くの場合e-Taxの利用は必要なし
源泉所得税については、税務署側で納付金額のみならず、対象期間や源泉所得税額の計算基礎となった金額が必要。
よって、クレジットカード決済をする前にe-Taxで必要な情報を送信する必要があるのです。
e-Taxに関する準備の手順は大きく分けて2つ
e-Taxで納付情報を設定するにあたり、必要な手順を大きく分けると
「e-Taxのアカウントを取得する」
「e-Taxにログインして利用者情報を設定する」
の2つです。
e-Taxに関する手順
- e-Taxのアカウント(利用者識別番号)を取得する
- e-Taxにログインして利用者情報を設定する
それでは、この2つの手続きについて、以下の記事で順を追って解説します。
数分あればできる作業で時間もかからず、全てウェブ上で完結する簡単な手続きなので、気を楽にして進んでください。
e-Taxのアカウントである利用者識別番号を取得
そもそもe-Taxを利用するためにはアカウントである利用者識別番号が必要。
手続きとしてはe-Taxの開始届をこちらから税務署へ送信するだけで、利用者識別番号と暗証番号が即時発行されます。
利用者識別番号を持っていなくて、これから取得する必要がある方は、まず開始届を送信して取得しましょう。
この開始届の送信方法については「e-Taxのアカウント(利用者識別番号)取得方法を解説」の記事で詳細を説明していますので、そちらをご一読下さい。
既にe-Taxの利用者識別番号と暗証番号を持っている方は以下の手続きに進んでOKです。
ここで1点ご注意ください!
法人税の申告を顧問税理士の先生に依頼されている方においては、既に顧問税理士の先生の方で利用者識別番号を取得してくれている場合も考えられます。
なぜならば、納付に使うe-Taxの利用者識別番号は、申告にも使われるため。
よって、顧問税理士の先生から法人税を電子申告されている場合、利用者識別番号とログイン暗証番号は顧問税理士、会計事務所の方へ確認しましょう。
仮に、既に電子申告のため利用者識別番号を取得しているにもかかわらず、納税のため利用者識別番号を取得した場合、1つの法人について重複して2つの利用者識別番号が発行されてしまうことになります。
そのような場合、個別で税務署に問い合わせをして片方の利用者識別番号を抹消してもらう手続きが必要となり、手間が増えてしまうのでご注意下さい。
利用者情報を登録
利用者識別番号があればe-Taxにログインすることができます。
まずe-Taxのメッセージボックスを開きましょう。
開いたら以下の画面の「e-Taxソフト(WEB版)へログインする」をクリック。
すると以下の画像のようなe-Taxソフト(WEB版)の画面が表示されますので「ログイン」ボタンをクリックしましょう。
ログインボタンを押したら、以下の画面が開きます。
ここで数字16桁の利用者識別番号と暗証番号を入力し「ログイン」ボタンをクリックましょう。
ログインできましたら、開いた画面の中央赤枠で囲ってある部分をご覧ください。
この部分がカラー表示になっているか、白黒表示になっているか、を確認しましょう。
カラー表示であれば、e-Taxから税務署へ送信する準備ができており、この記事で解説している手順は全て完了している状況。
白黒表示でであれば、このまま記事を順番通りに進めて手続きを進めてください。
中央部分が白黒表示であった場合
中央の部分が白黒表示であった場合、利用者情報の登録が必要です。
(e-taxを利用するために利用者識別番号を取得したのに、そこからさらに利用者情報を登録しないと手続きが進められないなんて。。。と思われるかもしれませんが簡単なので大丈夫です)
画面左側の「利用者情報の登録・確認・変更」をクリックしましょう。
「利用者情報の登録・確認・変更」クリックすると以下の画面が開きます。
ここでは「操作に進む」ボタンをクリックしましょう。
「次に進む」ボタンを押すと以下の画面が開きます。
ここでは法人の情報を入力しましょう。
もし、法人番号がわからない方は「国税庁法人番号検索サイト」を開いて、この記事の以下の画像にある手順で法人番号を調べましょう。
そのうえで、法人情報を入力して「次へ」ボタンをクリックしましょう。
↓の画像は「国税庁法人番号検索サイト」です。
このwebページでご自身の会社の名前を入力して検索すると、法人番号を確認することが可能。
法人番号を確認しましょう。
法人情報を入力して「次へ」ボタンをクリックしたら、代表者情報の入力画面が開きます。
この画面では必須となっている代表者情報を入力し「次へ」ボタンをクリックしましょう。
代表者情報の入力が完了すると、以下の画面が開きます。
この画面では秘密の質問と答えを登録することが可能。
「秘密の質問と答え」とは、暗証番号を仮に忘れてしまった場合に利用しますが、登録しなくても問題ないためここでは省略し「次へ」をクリックします。
秘密の質問の設定画面の次は、以下のような電子証明書の登録画面が開きます。
ここで、源泉所得税の納付手続きに必要な所得税徴収高計算書の作成・送信については電子証明が必要ないため省略し「次へ」をクリックしましょう。
ここまでの手続きを行ったことで、先ほどのログイン直後の画面「e-Taxソフト(WEB版)へようこそ」の画面(中央部分が白黒表示となっていた画面)に戻ってきます。
今度は中央の部分が白黒ではなく、カラーになっているはずですが大丈夫でしょうか。
カラーになっていたら、この記事で解説しているe-Taxの準備は完了。
おめでとうございます!
「申告・申請・納税」ボタンをクリックできる状態になっているはずなので、源泉所得税のクレジットカード納付手順へ進みましょう。
源泉所得税のクレジットカード納付手順については「クレジットカードで源泉所得税を納付する方法」をご参照ください。
まとめ
この記事に解説している手順が完了した方は
「e-Taxにログインすることができ、かつ、e-Taxにおける利用者情報の登録が完了している」
という状況です。
この状況であれば源泉所得税のクレジットカード納付も可能。
源泉所得税を納付する手間は、普通の納税より負担になり得ます。
なぜならば、月初に源泉所得税の集計し、期限までに銀行や税務署へ行って納付するのは、スケジュール的に余裕がないためです。
ましてや、会計事務所のスタッフや顧問税理士の先生が納付すべき源泉所得税を集計し、そこから会社に納付書が届いて納付する~という手続きとなる場合、さらにスケジュールは厳しいことになるでしょう。
そして、そもそも銀行や税務署に足を運ぶのは時間と労力が勿体ないですよね。
税理士業務を行っている私も、以前から「源泉所得税のクレジットカード納付ができたら、会計事務所もクライアント様も楽でなのになー」と思っていました。
是非、この記事にあるe-Taxの設定を完了し、源泉所得税のクレジットカード納付を実現させてください!
源泉所得税の納付業務を効率化されれば、心と時間に余裕が生まれ、他の業務にも良い影響があるはずです。
皆様の業務効率が上がり、より良い環境で楽しく業務が進むことを心からお祈りしております!
監修者
大下航公認会計士税理士事務所代表。監査法人、会計事務所勤務、税理士法人パートナーを経て独立。国内外の幅広い業種・法人形態の会計税務に対応。ベンチャー企業への投資・支援業務を積極的に行っており、ITを利用した業務の効率化が得意。